K邸主屋再生
加賀市橋立町の北前船主の主屋を修理しました、地元の財産であるこの屋敷群の修理設計に関わる事ができ大変嬉しくもあり、また身の引締まる思いで設計・監理に励んでおります。北海道小樽にはここの船主が建てた土蔵がいまでも残っております。
修理後
修理前
正面外観は玄関の左にはアルミサッシの掃出しが後の
改造で取付けられていました、屋根の痛みは激しく、破風板も片方が落ちていました、外壁の杉板も腐食が激しくシートで養生しながら修理の時を待っていました。
破風板は現存するものの型を取り同種・同材・同寸法で取替えてあります、アルミサッシの窓は創建当時に合わせて小さくし、格子戸も付けました、格子意匠は敷地内にある建物を参考にしました。外壁の杉板張りは修理前の継ぎ目を再現しております。
右側の写真です。後の改造によってアルミサッシが付いたり、雨漏りによって屋根の一部の腐食がありました。
背面の写真です。下屋根の部分は屋根が下がり桁が変形し、柱の根元も腐食していました。
また、アルミサッシの掃出戸が付けられていました。
左側面の写真です。こちらも外壁に傷みがあり、アルミサッシの窓が付いていました。
屋根は古瓦を一度撤去し、垂木、小舞を補強した後もう一度古瓦を葺いています。
有壁の一部には貝灰で灰色の漆喰を塗ってあります。
雨樋はすべて銅製に取替えました。
妻壁は白漆喰塗り、外壁は杉板、杉皮が張られ、木製ガラス戸になりました。見違えるように綺麗になりました。
下屋根はアスファルトシングルを撤去し、合板の野地板を杉野地板に取替えガルバニウム鋼板葺きにしてあります。
柱は取替え、屋根の不陸も直しています。
アルミサッシの戸は木製ガラス戸に取替えています。
腐食していた土台・柱・桁・垂木を取替えました。2階の外壁に残っていた明かり窓も復元しています。