平成15年12月6日 建設工業新聞
『自然と歴史をテラスから』
の記事が掲載されました。
 加賀市篠原新町にある篠原池の側に自然学習施設が完成した。照明付きのテラスと4ケ国語表記のバリアフリーのトイレを設け、地元児童や、増えつつある海外からの観光客がいつでも利用しやすくなっている。眼前にある実盛塚などからイメージされる平家物語の歴史感覚をデザインに取り入れた。「一般に和風建築は画一的であか抜けしないというが、のびのびと明るいものもあると照明したかった」という。寺社建築で使われるむくり付き片流れの屋根をハネ梁で支える手法で、100年近くはもつ造りとした。素材は地場の松で、瓦は由緒ある赤瓦。外壁は木材が長年かけて落ち着く色として古色塗りを施した。

 文化財や古民家再生を数多く手がける瀬戸氏は、「その存在や価値に対し無知な人が多すぎる。しっかりと伝えていかなければ」と、失われていく危機感を募らせる。「加賀江沼地域にはまだ1000件もの100年建築が残っている。生きている限りその再生を続けていきたい」