金蔵集落の紹介

◆能登の里山里海が世界農業遺産に
地域の生物多様性に支えられた伝統的な農業が認められたことにより、能登の里山里海は2011年に国際連合食糧農業機関(FAO)が定める世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。先進国でGIAHSに認定されたのは、同時に認定された佐渡と能登の里山里海が初めてです。金蔵の棚田集落も能登の里山の代表的な景観の1つとして、各方面で紹介されています。

◆金蔵(かなくら)の自然
金蔵山や天竺山など多くの丘陵地に囲まれ、代表的な12の溜め池(細かい物を入れると15以上)の溜め池と棚田が織りなす金蔵の自然は能登の生物多様性を保全する重要な役目を担っています。これらの棚田や溜め池では36種のトンボと11種の両生類が見つかっています。その他、石川県自然史資料館の高木政喜先生の調査により、キクモ、サンショウモ、ミズオオバコのような希少種を含む579種の多様な植物が確認されました(高木 2009)。

◆金蔵(かなくら)のはじまり
金の鶴が舞い降りたとされる伝説が残る金蔵は、岩倉山金蔵寺がはじまりとされています。昔から稲作が盛んに行われ、奥能登地域で豊かな集落のひとつでした。室町時代には仏供米とされ、年貢として上納されることもなく、お寺を中心として栄えました。

◆鐘の音が聞こえる
金蔵集落には正願寺、正楽寺、慶願寺、圓徳寺、金蔵寺の5つのお寺があります。昔は夕方になると毎日鐘を鳴らしたそうですが、時代の移り変わりの中でなくなってしまいました。情緒ある集落の音色を復活させようと、取り組みがはじまりました。

◆美しい棚田集落
金蔵集落は、「日本の里100選」「美しい日本の歩きたくなる道500選」に選ばれています。
山間の傾斜地には田んぼが広がり、美しい棚田の景観が守られています。棚田の米づくりは伝統的手法で手間暇かけて作ることで、美味しいお米になりました。人々が棚田を維持することで豊かな自然環境を育み、多様な生物の保全につながっています。

◆集落の現状と挑戦
一方で、高齢率50%超という過疎高齢化、農業人口の減少に伴う耕作放棄地の増加という、限界集落と呼ばれる全国の農村と同様の問題を抱えています。
そこで、再び若い活力を呼び寄せて集落の存続を目指す為、金蔵集落の地域活性化の為の挑戦が始まりました。集落全体に蝋燭で灯りを灯す「万燈会」を始め、各種研修、農業体験、テレビ撮影、オリジナル食品の販売、大学による研究活動、観光などにより、今では年間約8000人が訪れるようになりました。
私達の活動で1人でも多くの人に限界集落の問題、活動とその魅力を伝え、金蔵のファンになって頂いて金蔵の活動に参加して頂くと共に、共に地域作りをしてくれる移住者を募っています。

金蔵の棚田で、田植えから稲刈り、かかし作りまで様々な農作業を体験してみませんか? 多くの溜め池と棚田、周囲の山々に支えられた豊かな自然が、多様な自然体験の場を提供します。
「8ッピーLIVE いしかわキッズ」(石川テレビ)が1年ほど撮影に来て、金蔵での里山の生活を放送して頂きました。


◆研究場所としての金蔵
・「能登半島里山里海の生物多様性調査2006-2008」(能登半島里山里海自然学校 2009)
里山里海自然学校(珠洲市)と金沢大学が中心となり、溜め池の水質、植物相、水生動物相などの調査に基づき、調査報告書が作成されました。その後も、金沢大学の学生によりカエル類の研究が行われました。

ダウンロード(PDF)

・「輪島市野町金蔵における昭和初期~ 昭和 40 年代 (1920 年代後半~ 1970 年代前半) の棚田と里山の利用・管理」

近代化により劇的に集落が変化する前の、かつての里山の暮らしについての聞き取り調査が行われました。
ダウンロード(PDF)


金蔵には、JICA、能登里山里海マイスター養成プログラム、全国農業担い手サミット、金沢大学などの様々な団体が視察や研修、ゼミなどの為に訪れています。


生き物豊かな溜め池での生き物観察も、児童に大好評です。

JICA視察の様子。


能登里山里海マイスター養成講座の視察の様子。

子ども自然体験の様子。


◆パンフレットのダウンロード
「金蔵めぐり」
表面(PDF)


中面(PDF)



◆アクセス
・車:金沢から約2時間
  (能登有料道路 能登空港ICから約40分)

・電車:金沢から約2時間30分
  (のと鉄道穴水駅から車で約50分)
・飛行機:東京から約2時間
  (能登空港から車で約40分)

       
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